障害児の居宅介護(ホームヘルプ)|「居宅介護支援」とは別の制度です

ヘルパーさんに家へ来てもらえる制度です。入浴、食事、着替え、家事。障害のある子との暮らしで、いちばん直接的に負担が減るサービスだと思います。

ただし、名前がややこしいところがあります。先にそこを整理します。

この記事でわかること

「居宅介護」と「居宅介護支援」は別の制度です

検索すると混ざって出てきます。まったく違うものです。

居宅介護(ホームヘルプ)居宅介護支援
根拠の法律障害者総合支援法介護保険法
対象障害のある人・子ども要介護認定を受けた高齢者
やることヘルパーが家に来て介助するケアマネジャーが計画を作る
窓口市区町村の障害福祉の窓口地域包括支援センターなど

障害のある子に使うのは、左の「居宅介護」です。「支援」が付くほうは高齢者の制度なので、窓口も違います。

高齢の家族にも、同じことが頼めます

先に書いておきます。家に来てもらって介助を受けるという仕組みは、障害のある人だけのものではありません。制度の名前が違うだけで、やることはほぼ同じです。

誰が使うか制度の名前根拠の法律
障害のある子ども・大人居宅介護(ホームヘルプ)障害者総合支援法
要介護認定を受けた高齢者訪問介護(ホームヘルプ)介護保険法

どちらもホームヘルパーが自宅に来て、入浴・排せつ・食事の介助や、調理・洗濯・掃除をします。窓口と申請の流れが違うだけです。

親の介護と、子どもの介助が重なっている家庭は、2つの制度を並行して使うことになります。同じ「ホームヘルプ」なのに担当の課が違うので、別々に申請してください。

この記事は、上の居宅介護(障害者総合支援法)の話です。

何をしてもらえるのか

制度の説明は、こうなっています。

ホームヘルパーが、自宅を訪問して、入浴、排せつ、食事等の介護、調理、洗濯、掃除等の家事、生活等に関する相談や助言など、生活全般にわたる援助を行います。

WAM NET(独立行政法人福祉医療機構)

中身は3つに分かれています。

  • 身体介護 入浴、排せつ、食事などの介助
  • 家事援助 調理、洗濯、掃除、生活必需品の買い物など
  • その他 生活に関する相談や助言

ここを間違えると、断られます

同じ説明に、重要な一文があります。

利用者本人のために使われるサービスです。

WAM NET

家族のための家事は頼めません。ここでつまずく方が多いところです。

  • 子どもの食事を作る → できます
  • 家族全員ぶんの夕食を作る → できません
  • 子どもの洗濯をする → できます
  • 家じゅうの掃除、庭の手入れ、来客の対応 → できません

「本人のため」という線を知っておくと、事業所とのやりとりが楽になります。

使えるのは、どんな子か

対象はこう決められています。

障害支援区分が区分1以上(児童の場合はこれに相当する心身の状態)である方

WAM NET

ここが大事です。子どもには「障害支援区分」の認定がありません。だから「これに相当する心身の状態」という言い方になっています。

つまり区分の数字がないから使えない、ということはありません。市区町村が状態を見て判断します。

なお通院等介助(身体介護を伴う場合)だけは条件が厳しく、区分2以上であることと、認定調査の項目(歩行・移乗・移動・排尿・排便)で一定の状態にあることが求められます。

お金のこと

自己負担には上限月額があります。何の所得を見るかが、18歳を境に変わります。

  • 18歳未満 児童を監護する保護者の属する世帯(住民基本台帳上の世帯)の所得
  • 18歳以上 本人と配偶者の所得

上限月額よりも、サービス費用の1割のほうが低ければ、1割のほうを払います。上限に届かないことも多いです。

使いはじめるまでの流れ

1. 事業所を探す

ヘルパーを出してくれる居宅介護の事業所を探します。探し先はこのあたりです。

  • 市区町村の障害福祉の窓口 いちばん確実です
  • 相談支援事業所・基幹相談支援センター
  • 通っている園・学校・放課後等デイ
  • 主治医、病院の相談窓口
  • 同じ学校の先輩の保護者

うちは、学校の先輩からの情報でした。これが結局いちばん役に立ちました。実際に来てもらっている人の話には、公式サイトに書いていないことが入っています。

「地域包括支援センター」は高齢者の窓口です。障害のある子は相談支援事業所のほうになります。

2. 事業所に連絡して、聞く

用意しておくもの。

  • 名前・住所・連絡先
  • 子どもの状態と、主治医
  • 何をしてほしいか(入浴、食事、着替え、見守りなど)
  • 希望する曜日と時間帯

聞いておきたいこと。

  • 子どもの支援をしているか 高齢者中心の事業所も多いです
  • 対応できるエリアか
  • 希望の時間に空きがあるか 夕方は取り合いになります
  • 同じ人が来てくれるか 子どもが慣れるまで時間がかかります
  • 入浴介助を受けてもらえるか できる事業所とできない事業所があります

3. 市区町村に申請する

障害福祉の窓口で申請します。相談支援専門員がサービス等利用計画を作り、市区町村が支給を決めます。

伝えるのは「なぜ必要か」です。「毎日入浴させるのが体力的に難しい」「きょうだいの対応と重なる時間がある」など、具体的な困りごとのほうが通ります。

4. 受給者証が届いたら、利用開始

受給者証に「月に何時間使えるか」が書かれています。この時間数の中でやりくりします。上限を超えると自費になるので、最初に確認してください。

足りなければ、あとから時間数の変更を申請できます。「最初に決まった数字が全部」ではありません。

うちの使い方

週3回、1回2時間です。

学校から帰ってきたあとの時間に来てもらって、入浴と夕食をお願いしています。ここが一日でいちばん大変な時間帯なので、親の負担は激減しました。

それと、これは数字に出ないことですが、毎日お風呂に入れるというのは、本人にとっても幸せなことだと思います。親が疲れている日は、どうしても「今日はやめておこうか」になります。来てくれる日があると、それが減ります。

時間帯を選ぶときは、いちばんきつい時間に当ててください。「空いている時間」で決めると、あまり楽になりません。

誰が来るのか

実際に来るのは、ヘルパーさん(介護職員初任者研修などを修了した方)が多いです。介護福祉士の方が来ることもあります。

ここで注意しておきたいのが、医療的なことは頼めないという点です。たんの吸引や経管栄養は、研修を受けた職員でないとできません。浣腸のような行為も、事業所によって扱いが分かれます。

その線引きは浣腸は医行為かにくわしく書きました。看護師に来てもらう訪問看護と組み合わせている家庭も多いです。

よくある質問

手帳がないと使えませんか

障害福祉サービスは、手帳が必須ではありません。必要なのは受給者証です。診断や意見書で判断されることがあります。まず窓口で相談してください。

移動支援とは違うのですか

別のサービスです。居宅介護は家の中、移動支援は外出が中心になります。受給者証の時間数も別に決まります。移動支援とはにまとめました。

親が家にいても使えますか

使えます。「親が留守のときだけ」という制度ではありません。介助そのものを代わってもらうためのサービスです。ただし運用は自治体で差があるので、窓口で確認してください。

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