障害のある子と楽しめる場所の選び方|知的障害・車椅子・医療的ケアで見るところは違います

「障害者 楽しめる場所」「障害児 遊べる場所」で検索すると、おすすめスポットを並べた記事がたくさん出てきます。でも読み終わっても、うちの子が行けるのかどうかは分からないままだったりしませんか。

理由ははっきりしていて、必要な条件が人によってまったく違うからです。車椅子の子に必要なことと、音が苦手な子に必要なことは、ほとんど重なりません。

このページでは、場所を挙げる前に「うちの場合は何を確認すればいいのか」を先に決めます。そのあとで地域ごとのまとめに進んでください。

この記事でわかること

「おすすめスポット◯選」を読んでも決められない理由

まとめ記事の多くは「バリアフリー対応」で説明が終わっています。スロープがある、多目的トイレがある、と書いてあれば十分に思えます。

けれど実際に現地で困るのは、もっと細かいところです。

  • 障害者用の駐車場はあったが、当日の事前連絡が必要だと知らずに行って満車だった
  • 多目的トイレはあったが、大人が横になれる介助ベッドは1か所だけで、しかも別の階だった
  • 段差はなかったが、音の反響が強くて会場に入れなかった
  • 入口から展示までは平坦だったが、売店に行くのに5段あった

どれも「バリアフリー対応」と書いてある施設で起きることです。だから、行き先を選ぶより先に、自分たちが確認しないといけない項目を決めてしまうほうが早いです。

状況によって、見るところが違います

同じ「障害のある子とのおでかけ」でも、確認する項目は入れ替わります。自分に近いところから読んでください。

知的障害・発達障害の子と行くとき

段差やスロープが問題になることは、あまりありません。代わりに効いてくるのはこちらです。

  • 音と光。屋内の反響、突然のアナウンス、暗転のある展示
  • 混む時間帯。開館直後と夕方は空いていることが多い
  • 静かに戻れる場所があるか。屋上、屋外デッキ、休憩室
  • 並ばずに入れるか。待ち時間が読めるか
  • 順路が一本道か。先の見通しが立つと落ち着ける子は多い

車椅子・肢体不自由の子と行くとき

  • 障害者用駐車場。台数と、事前連絡が要るかどうか
  • 入口から目的地まで段差なしで行けるか。「館内はバリアフリー」でも、一部だけ階段のことがある
  • 通路の幅。混雑時に車椅子やバギーが通れるか
  • 多目的トイレの位置と、大人用の介助ベッドの有無
  • 車椅子の貸出。台数と、予約できるかどうか(先着だけの施設も多い)
  • 観覧位置。ショーや展示で車椅子から見える場所があるか
  • 横になれる場所があるか。芝生でも構いません。ここが抜けがちです

医療的ケアが必要な子と行くとき

  • 電源を借りられるか。借りられる場合でも、どこに言えばいいか
  • 処置に使える個室。救護室を貸してもらえる施設があります
  • 車での移動距離と、途中で止まれる場所
  • 滞在できる時間の上限。荷物とバッテリーから逆算する

※ 足が悪い高齢のご家族と出かける場合も、確認する項目はほぼ同じです。駐車場・トイレ・段差・休める場所の4つが中心になります。

行く前に確認する9つ(このまま電話で聞けます)

どの施設でも共通して効く項目です。公式サイトに書いていないことが多いので、そのまま読み上げて電話で聞いてしまうのが一番早いです。

確認することなぜ要るか
1. 障害者用の駐車場
台数/屋根/事前連絡の要否
満車だと数百メートル歩くことになる。事前連絡が必要な施設は多い
2. 入口から中まで段差なしか
階段が必要な場所はどこか
「館内バリアフリー」でも一部だけ階段のことがある
3. 多目的トイレ
数/場所/大人用ベッドの有無
介助ベッドがあるのは館内1か所だけ、ということが起きる
4. 車椅子の貸出
台数/予約できるか/料金
先着だけの施設だと、休日は着いた時点で残っていない
5. 静かに休める場所
どこにあるか
つらくなったときの逃げ場。これがあるかで滞在時間が変わる
6. 食事
車椅子のまま入れるか/形態を変えられるか
席に着けても、食べられるものが無いことがある
7. 医療的ケアの場所と電源
借りられるか/誰に言うか
「借りられる」と「その場で借りられる」は別。窓口を先に聞いておく
8. 障害者割引
手帳/ミライロID/介護者の扱い
券売機では割引にならず、窓口申告が要る施設がある
9. すいている時間
平日/休日それぞれ
現場の人がいちばん正確に知っている。聞けば教えてくれます

この9つは、電話1本で5分くらいです。行ってから困るより、先に聞いてしまったほうが確実に楽でした。

もうひとつ、芝生があるかどうか

施設の設備の話ではないので、どのチェックリストにも載っていないのですが、横になれる場所があるかどうかは大きいです。

座位が保ちにくい子にとって、何時間も車椅子に座り続けるのはつらいことです。バギーが倒れて寝られるタイプでなければ、なおさらです。降ろして寝そべらせられる場所があると、いられる時間が変わります。

ベンチでは足りません。固くて狭いからです。芝生がある公園は、それだけで条件のひとつを満たしています。実例は都立明治公園に書きました。

ただ、電話で確認しても現地で違っていたことがあります。

「障害児用のおむつ替えシートがありますよ」と言われて行ったのに、実物は赤ちゃん用のおむつ替え台でした。体の大きさがまったく足りません。聞くときは「大人が横になれる介助ベッドか、赤ちゃん用のおむつ替え台か」まで確かめたほうが確実です。

なぜこの取り違えが起きるのかは、バリアフリートイレとはに書きました。国の分類では、赤ちゃん用のおむつ交換台と大人用の大型ベッドは別の設備です。

地域から探す

ここから先は、実際に行ってみた場所を地域ごとにまとめています。

移動そのものが心配なとき

行き先より先に「そこまでどうやって行くか」で止まってしまうことがあります。乗り物ごとに分けて書いています。

よく聞かれること

障害者手帳があれば、どこでも割引になりますか

施設によって違います。無料のところ、本人と介護者1名が半額のところ、割引が無いところがあります。券売機では割引にならず窓口での申告が必要な施設があるので、入る前に窓口を探したほうが確実です。上の9つの8番で、先に聞いておいてください。

予約は必要ですか

施設そのものの予約が不要でも、障害者用駐車場と、車椅子の貸出は別枠で事前連絡が要ることがあります。この2つだけは行く前に確認しておくと、当日の入口でつまずきません。

何を聞けばいいか分からなくて、電話できません

上の9項目を、そのまま上から読み上げれば足ります。全部を一度に聞かなくても、自分の子に関係する3つか4つで十分です。施設の方は慣れていることが多く、こちらが具体的に聞くほど答えが早く返ってきます。

聞いてみたら、行けた場所もあります

「数段の階段があります」と言われて迷っていたら、「お手伝いします!」と言っていただけたことがあります。

沖縄のマリンスポーツのお店では、バナナボートに乗れないか聞いてみました。快く体験させてもらえたうえ、水陸両用の車いす(モビチェア)まで貸してくださって、そのあと海にも入れました。聞かなければ、諦めたままでした。

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