療育手帳とは|根拠法がないので自治体で名前も区分も違います

療育手帳のことを調べると、ネットの情報がバラバラで混乱します。「A・B」と書いてあるサイトもあれば「1度〜4度」と書いてあるサイトもあり、名前すら「愛の手帳」だったりします。

理由ははっきりしています。療育手帳には、根拠になる法律がありません。

この記事でわかること

ほかの手帳と、成り立ちが違います

手帳根拠
身体障害者手帳身体障害者福祉法(法律)
精神障害者保健福祉手帳精神保健福祉法(法律)
療育手帳昭和48年の国の通知(法律ではありません)

もとになっているのは、昭和48年9月27日に出された「療育手帳制度について」という国の通知です。法律ではないので、実際の運用は自治体が決めています。

厚生労働省自身が、こう書いています。

療育手帳制度は、各自治体において、判定基準等の運用方法を定めて実施されております

厚生労働省「障害者手帳について」

だから、3つのことが起きます

  • 名前が違う。東京都は「愛の手帳」です。国の制度としては療育手帳で、愛の手帳はその適用を受けています
  • 区分の付け方が違う。A・Bの2段階のところもあれば、1度〜4度で表すところもあります
  • 引っ越すと変わることがある。転出先で判定を受け直すと、同じ子でも区分が動く場合があります

他県の人が書いたブログが、そのまま当てはまりません。ここが療育手帳のいちばん厄介なところです。

東京都の場合(愛の手帳)

ひとつの例として、東京都の内容を出します。お住まいの自治体とは違う可能性が高いので、必ず確認してください。

区分1度(最重度)/2度(重度)/3度(中度)/4度(軽度)
判定の内容知能測定値、社会性、日常の基本生活などを年齢に応じて総合的に
判定を受ける場所18歳未満は児童相談所/18歳以上は心身障害者福祉センター
再判定3歳・6歳・12歳・18歳のときに必要。障害の程度が変わったときも受けられます
申請に必要なもの写真(縦4cm×横3cm)、既にお持ちの手帳(該当する方)、マイナンバーの確認書類

再判定の時期を見落とさないでください。東京都では3歳・6歳・12歳・18歳の節目で受け直しが必要です。ここを忘れると手帳が切れてしまい、割引や手当が止まります。

※内容は東京都児童相談センターの案内(2026年9月時点)によります。

手帳がなくても、使えるサービスがあります

判定を待っている間、何もできないと思っていませんか。そんなことはありません。

児童発達支援や放課後等デイサービスを使うのに、診断名も手帳も必須ではありません。国の事務処理要領にはっきり書かれています。詳しくは「障害があるかも」と思ったときにまず行うことにまとめました。

手帳があると、何ができるか

内容は自治体と施設で違いますが、大きいのはこのあたりです。

  • 鉄道・バスの運賃割引 5割。ただし新幹線は乗車券だけで、特急券は割引になりません(詳しく)
  • 飛行機の割引 第1種でも第2種でも使えます(詳しく)
  • 施設の入場料 無料や半額になるところがあります。券売機では割引にならず、窓口での申告が必要な施設があるので注意です
  • 手当・助成 障害児が使える各種助成にまとめています
  • 税の控除 所得税・住民税の障害者控除。確定申告や年末調整で申告します

手帳の種別(第1種・第2種)は、割引のときに効いてきます。鉄道は種別で扱いが変わりますが、飛行機は変わりません。ここは制度ごとに違うので、そのつど確認してください。

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この記事でわかること