特別支援学級は、地域の小学校・中学校の中に置かれる、障害のある子のための少人数の学級です。1学級の基準は8人。在籍する子は、原則として週の授業時数の半分以上をこの学級で学びます。対象になる7つの障害と、通級や特別支援学校との違い、見学で聞くことを、文部科学省の通知をもとに2026年10月時点でまとめました。
特別支援学級は、地域の学校の中にある少人数の学級
障害のある子の学びの場は4つあります。特別支援学級はそのうちの1つで、住んでいる地域の小学校・中学校の中にあります。ほかの3つと並べると、違いが分かりやすくなります。
| 学びの場 | どこにあるか | 1学級の人数の基準など | どんな形か |
|---|---|---|---|
| 特別支援学校 | 都道府県などが置く学校 | 小学部・中学部は6人 | 障害の種類ごとの学校で学ぶ |
| 特別支援学級 | 地域の小学校・中学校の中 | 8人 | 障害の種類ごとの学級で、各教科と自立活動を学ぶ |
| 通級による指導 | 地域の学校(ほかの学校へ通う場合もある) | 児童生徒13人につき教員1人 | ふだんは通常の学級。決まった時間だけ別の教室で自立活動を受ける |
| 通常の学級 | 地域の学校 | ― | 必要な配慮を受けながら、ほかの子と同じ学級で学ぶ |
人数は文部科学省「特別支援教育の現状」の記載です(2026年10月時点)。8人は1学級の基準で、実際の人数は学校ごとに違います。
自立活動とは、障害による学習上・生活上の困難を、本人が主体的に改善・克服するための指導のことです。体の動かし方、コミュニケーション、気持ちの整え方などが入ります。
対象になるのは7つの障害
文部科学省の通知(2013年10月4日 25文科初第756号)は、特別支援学級の対象を次のように示しています。どの種類の学級を置くかは学校ごとに違うので、地域の学校に希望する種類があるかを、まず確かめます。
| 学級の種類 | 通知に書かれている程度 |
|---|---|
| 知的障害 | 知的発達の遅れがあり、他人との意思疎通に軽度の困難があり、日常生活に一部援助が必要で、社会生活への適応が難しい |
| 肢体不自由 | 補装具を使っても、歩行や筆記など日常生活の基本的な動作に軽度の困難がある |
| 病弱・身体虚弱 | 慢性の病気が続いたりくり返したりして、医療や生活の管理が必要。または身体虚弱の状態が続き、生活の管理が必要 |
| 弱視 | 拡大鏡などを使っても、通常の文字や図形を目で見て認識するのが難しい |
| 難聴 | 補聴器などを使っても、通常の話し声を聞き取るのが難しい |
| 言語障害 | 口蓋裂や構音器官のまひなどによる構音障害などが著しい |
| 自閉症・情緒障害 | 自閉症などで、他人との意思疎通や対人関係をつくるのが難しい。または心理的な要因による選択性かん黙などで、社会生活への適応が難しい |
肢体不自由と知的障害は、特別支援学校の対象(学校教育法施行令の表)と比べると「軽度の困難」となっているのが違いです。施行令の表は障害のある子の就学相談に載せています。
ただし、この程度だけで行き先が決まるわけではありません。文部科学省は、障害の状態、教育上必要な支援、学校や地域の状況、専門家の意見などを総合的に考え、本人と保護者の意向を最大限尊重して、市区町村の教育委員会が判断するとしています。
「週の半分以上」というルール
2022年4月27日、文部科学省は通知「特別支援学級及び通級による指導の適切な運用について」(4文科初第375号)を出しました。特別支援学級に在籍する子は、原則として週の授業時数の半分以上を目安に、特別支援学級で、その子の障害の状態や特性に合わせた授業を受ける、という内容です。
文部科学省のQ&Aによると、きっかけは調査でした。特別支援学級に在籍しているのに、大半の時間を通常の学級で過ごしていて、障害に応じた指導を十分に受けていない例があったためです。
| Q&Aに書かれていること | 読み取れること |
|---|---|
| 特別支援学級で半分以上学ぶ必要のない子は、通常の学級へ在籍を変えることを促す | 通常の学級での時間が大半なら、学びの場の見直しを考える時期 |
| 交流及び共同学習(通常の学級で一緒に学ぶ時間)は、特別支援学級の担任が付き添うなど、指導体制を整えられる範囲で行う | 通常の学級へ行くときに誰が付くかが大事 |
| 半分以上でなくてよい例は、次年度に通常の学級への変更を検討している場合や、病弱の子の病状が学期の途中でよくなった場合など | 例外はある |
| 特別の教育課程なのに自立活動の時数が「0」は想定されていない | 時間割に自立活動が入っているかを見る |
文部科学省は、この通知は制度を変えるものではなく、これまで示してきた内容をはっきりさせたもの、と説明しています。
通級による指導とは、何が違うのか
よく比べられるのが通級です。在籍するのは通常の学級で、決まった時間だけ別の教室で自立活動を受けます。特別支援学級は、自立活動だけでなく各教科の授業も行います。Q&Aでも、対象の障害の種類や程度が違うので、特別な指導の時間数だけで学びの場を決めるべきではないとしています。
通級の対象には、特別支援学級にはない学習障害(LD)と注意欠陥多動性障害(ADHD)が入っています。自分の学校に通級の教室がない場合は、先生が回ってくる巡回指導や、ほかの学校へ通う他校通級があります。
見学で聞いておくこと
同じ「特別支援学級」でも、学校によって中身がかなり違います。見学のときに、次のことを聞いておくと比べやすくなります。
| 聞くこと | なぜ聞くか |
|---|---|
| この学校には、何の種類の学級があるか | 希望する種類の学級がない学校もある |
| 今の在籍人数と、担任・支援員の人数 | 8人は基準。実際に何人の大人が見ているかで、手の届き方が変わる |
| 通常の学級へ行く授業はどれで、誰が付き添うか | 交流及び共同学習は、付き添える範囲で行うことになっている |
| 自立活動は週に何時間あるか | 時間割に入っているかを確かめる |
| 食事・トイレ・移動の介助は、誰がどこまでできるか | 肢体不自由や医療的ケアがある場合は特に大事 |
| 通学と放課後 | 送迎の方法は自治体と学校で違う。下校後の預け先も要る |
放課後の預け先は放課後等デイサービスとは、送り迎えは移動支援とはにまとめています。
決めたあとも、学びの場は変えられます
文部科学省は、就学時に決めた学びの場は固定したものではなく、発達の程度や適応の状況などを見ながら柔軟に転学できる、としています(25文科初第756号)。特別支援学級から通常の学級へ、通常の学級から特別支援学級へ、という見直しもあります。
特別支援学校を選んだ場合でも、地域の学校とつながる仕組みがあります。東京都では「副籍」と呼ばれています。くわしくは副籍制度とはに書きました。
よくある質問
特別支援学級は1クラス何人ですか?
1学級の基準は8人です(文部科学省、2026年10月時点)。実際の人数は学校ごとに違うので、見学のときに聞いてください。
特別支援学級にいても、通常の学級で授業を受けられますか?
受けられます。「交流及び共同学習」と呼ばれます。ただし2022年の通知で、特別支援学級での授業は原則として週の半分以上が目安とされました。大半を通常の学級で過ごしている場合は、学びの場の見直しを考えることになっています。
発達障害の子も特別支援学級に入れますか?
自閉症は「自閉症・情緒障害」の学級の対象です。学習障害(LD)と注意欠陥多動性障害(ADHD)は、特別支援学級の7つには入っておらず、通級による指導の対象になっています。最終的には、教育委員会が本人と保護者の意向を聞きながら判断します。
出典(2026年10月時点で確認)
- 文部科学省「特別支援教育の現状」
- 文部科学省「障害のある児童生徒等に対する早期からの一貫した支援について(通知)」 2013年10月4日 25文科初第756号
- 文部科学省「特別支援学級及び通級による指導の適切な運用について(通知)Q&A」 通知は2022年4月27日 4文科初第375号
あわせて読みたい
- 障害のある子の就学相談 年長の1年の流れと、就学先の決まり方
- 副籍制度とは 自治体で名前が違うので見つけにくい
- 放課後等デイサービスとは 診断名も手帳も要りません
- 子ども用車いすとスクールバス バギーのままでは乗れない理由
- 知的障害・発達障害の子と暮らす 外出・制度・親の暮らし
- 車椅子・肢体不自由の子と暮らす 外出・移動・制度のまとめ
