IQの平均は100|知的障害の目安70と、療育手帳の判定で見ること

IQ(知能指数)の平均は100です。知的障害の目安として国の調査が使っているのは「おおむね70まで」、療育手帳の判定では東京都や横浜市のように「75まで」を軽度に含める自治体もあります。子どもが知能検査を受ける前に知っておきたい、数字の読み方と、判定でIQ以外に見られることを、厚生労働省と東京都・港区・横浜市の公式ページをもとに2026年10月時点でまとめました。

この記事でわかること

IQの平均は100。数字は「同じ年齢の子と比べた位置」

いま子どもに使われる知能検査の多くは、同じ年齢の子の平均が100になるように作られています。100より上なら同じ年齢の平均より高く、下なら低い、という読み方です。

つまりIQは「その子がどれだけ賢いか」の点数ではなく、検査を受けた日の、同じ年齢の子の中での位置です。年齢が上がって同じ問題が解けても、まわりの子も伸びていれば数字は上がりません。逆に、数字が下がったからといって、できることが減ったとは限りません。

検査の結果の用紙には、全体のIQのほかに、言葉の力・目で見て考える力・覚えておく力などの得点が分かれて書かれていることがあります。全体の数字だけを見ずに、どこが得意でどこが苦手かを、検査をした人に説明してもらうと、園や学校に伝えるときの材料になります。

知的障害の目安は「おおむね70」、療育手帳は自治体で75まで

厚生労働省の「知的障害児(者)基礎調査」では、知的障害を「知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に支障が生じているため、何らかの特別の援助を必要とする状態にあるもの」としています。知能のほうの目安は、ウェクスラー式やビネー式などの標準化された知能検査で知能指数がおおむね70までです(厚生労働省「知的障害児(者)基礎調査」)。

ところが、療育手帳の区分は自治体が決めているので、線の引き方が違います。2026年10月時点で公式ページに出ている数字を並べると、次のとおりです。

程度厚労省の調査(知能の区分)東京都 愛の手帳(18歳以上の表)横浜市 愛の手帳
最重度おおむね20以下(I)おおむね19以下(1度)20以下(A1)
重度おおむね21〜35(II)おおむね20〜34(2度)21以上35以下(A2)
中度おおむね36〜50(III)おおむね35〜49(3度)36以上50以下(B1)
軽度おおむね51〜70(IV)おおむね50〜75(4度)51以上75以下(B2)

東京都の数字は、港区が載せている「愛の手帳判定基準表(18歳以上)」によります(港区の判定基準表)。同じ表には「0〜6歳(就学前)、6〜17歳(児童)の基準には若干の違いがある」と注記があり、子どもの基準そのものは公開されていません。横浜市のページは区分ごとの数字だけで、それがIQだとは書かれていません(横浜市「愛の手帳(療育手帳)の交付」、2024年10月8日更新)。

どの表にも「おおむね」と書かれているとおり、1点の差で自動的に決まる線ではありません。療育手帳がなぜ自治体ごとに違うのかは、療育手帳とはに書きました。

子どもの検査は、年齢と様子で検査の種類が変わる

港区の判定基準表では、知能の数字は「標準化された知能検査、社会生活能力検査または乳幼児用の精神発達検査を用いた結果、算出された知能指数およびそれに該当する指数」で見るとされています。小さい子や、問題に答える形の検査が難しい子には、知能検査ではなく発達検査が使われることがあります。その場合、結果はIQではなく、それに当たる別の指数で出てきます。

どの検査を使うかは、検査をする児童相談所や医療機関が子どもの年齢と様子を見て決めます。結果を聞くときは、次の3つを確かめておくと、あとで別の場所で数字を伝えるときに困りません。

聞くことなぜ聞くか
検査の名前次に別の場所で受けるとき、同じ検査かどうかで比べ方が変わる
出た数字が「IQ」か、それに当たる別の指数か発達検査の数字はIQと呼ばないことがある
当日の様子が結果に影響したか眠い・体調が悪い・場所に慣れないと、力が出せないことがある

結果の用紙をもらえるか、もらえないなら口頭で数字と検査名を控えてよいかも、その場で聞いておきます。就学相談や児童発達支援の利用で、同じことを聞かれる場面があります。

IQだけで決まらない|判定で一緒に見られること

左に家族が伝えられる家での様子・検査の名前・当日の様子、右に自治体の判定基準(療育手帳の区分、知能測定値)。両方が真ん中の「総合的に判定」に集まり、日常の基本生活や社会性も合わせて見られる図

厚生労働省の調査も、IQだけでなく日常生活能力(a〜dの4段階)を組み合わせて程度を決める形です。東京都の愛の手帳も「知能測定値、社会性、日常の基本生活などを、年齢に応じて総合的に判定」するとしています(東京都「愛の手帳について」)。

港区の判定基準表(18歳以上)に並んでいる項目は次の7つです。

項目見られること(基準表の言葉を短くしたもの)
知能測定値検査で出た知能指数など
知的能力文字や数の理解、物事の判断
職業能力作業の力
社会性対人関係の理解、集団での行動
意思疎通言葉や文字でどのくらいやりとりできるか
身体的健康体の発達、健康状態、合併症への配慮
日常行動・基本生活食事、排せつ、着替え、入浴、睡眠などを自分でどこまでできるか

判定の日に、家での様子を聞かれることがあります。ふだん家でどこまで自分でできて、どこから手を貸しているかを、食事・トイレ・着替え・寝つき・言葉のやりとりの順にメモして持っていくと、短い時間でも伝えもれが減ります。うまくいっている日ではなく、ふだんの日の様子を書くのがこつです。

数字は変わる。再判定の時期

東京都の愛の手帳は、3歳・6歳・12歳・18歳のときに再判定を受ける決まりです。障害の程度が変わったと思われるときも再判定を受けられます。18歳未満の判定は都内の児童相談所で、判定日は電話で予約(先着順)です。横浜市でも18歳未満は市内各児童相談所で判定を受け、申請から交付まで概ね2か月〜2か月半かかるとされています(2026年10月時点)。

再判定で数字や区分が変わると、使える手当や割引が変わることがあります。区分が変わったときは、手帳の窓口だけでなく、手当を受けている窓口にも、何か手続きが要るかを聞いてください。手帳の種類ごとの違いは障害者手帳の3種類にまとめました。

IQの平均はいくつですか?

100です。多くの知能検査は、同じ年齢の子の平均が100になるように作られています。数字は「同じ年齢の中での位置」を表します。

IQがいくつ以下だと療育手帳がもらえますか?

自治体で違います。国の調査の目安はおおむね70まで、東京都(18歳以上の表)と横浜市は軽度の区分を75までとしています。どの自治体もIQだけでなく、生活の様子も合わせて判定します。住んでいる自治体の児童相談所に問い合わせてください。

IQは大きくなると変わりますか?

変わることがあります。同じ年齢の子との比較なので、検査を受けた年齢や、その日の体調でも数字は動きます。東京都の愛の手帳が3歳・6歳・12歳・18歳で再判定をするのも、そのためです。

特別支援学級や特別支援学校は、IQで決まりますか?

IQの数字だけで決まる仕組みではありません。学びの場の決まり方は就学相談、それぞれの対象は特別支援学級とはと特別支援学校とはにまとめました。

出典(2026年10月時点で確認)

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