児童発達支援は、小学校に入る前の子が通う療育の場です。障害者手帳がなくても、療育が必要だと認められれば使えます。「センター」と「事業所」の違い、何をするところか、使いはじめるまでの順番、費用を、船橋市・千葉県・札幌市などの公式ページをもとに2026年10月時点でまとめました。
児童発達支援は、小学校に入る前の子が通う療育
「療育」と呼ばれているものの多くは、児童福祉法の児童発達支援というサービスです。船橋市の案内では、内容を「日常生活の基本的動作及び知識や技能の習得、集団生活への適応のための支援」と説明しています。
対象は、船橋市では「医師や心理士等の専門職員が療育を行う必要があると認める未就学児」です。療育手帳を持っている子だけではありません。医師から療育が必要と言われている子も対象になります(船橋市の案内、2026年8月27日更新)。
小学校に入ると、同じ役割は放課後等デイサービスに移ります。分かれ目は年齢ではなく、就学しているかどうかです。
| 児童発達支援 | 放課後等デイサービス | |
|---|---|---|
| 対象 | 就学前の子 | 学校に通っている子 |
| 通う時間 | 日中 | 放課後と、学校が休みの日 |
| 使うための証 | 通所受給者証 | 通所受給者証 |
| 無償化 | 3歳から5歳は対象 | 対象外 |
「センター」と「事業所」は何が違うのか
調べはじめると、「児童発達支援センター」と「児童発達支援事業所」の2つの名前が出てきます。どちらも、通って療育を受けるところです。
| 児童発達支援センター | 児童発達支援事業所 | |
|---|---|---|
| 通う子への療育 | する | する |
| 役割 | 通う子への療育に加えて、地域の相談の窓口や、ほかの事業所・保育所への支援も担う | 通う子への療育が中心 |
2024年4月から「福祉型」「医療型」が1つに
以前のセンターは「福祉型」と「医療型」に分かれていて、肢体不自由の子は医療型、という分け方がありました。千葉県の案内には「令和6年4月からは児童発達支援センターについて、福祉型・医療型の類型が一元化される」とあり、福祉型の中の3つの区分(障害児・難聴児・重症心身障害児)もなくなりました(千葉県の案内)。
ただし、中身がすぐに全部そろったわけではありません。札幌市では、肢体不自由の子が主に通う「ひまわり整肢園」が経過措置で旧医療型の体制を続けていると書いています(札幌市「児童発達支援センター」、2026年4月30日更新)。リハビリを受けられるかどうかは、名前ではなく、そのセンターに直接聞いて確かめてください。
何をするところか|5つの領域と、計画で決める時間
事業所ごとに得意なことは違います。それでも、2024年度からは5つの領域をすべて含めた支援が基本になりました。札幌市の案内では、子どもごとの「個別支援計画」に、次の5つとのつながりをはっきり書くことになっています(札幌市の案内)。
| 領域 | たとえば |
|---|---|
| 健康・生活 | 食事、着替え、トイレなど毎日の動作 |
| 運動・感覚 | 姿勢、体の動かし方、音や触られることへの感じ方 |
| 認知・行動 | 物の見分け方、順番を理解すること |
| 言語・コミュニケーション | ことば、身ぶり、絵カードなどで伝えること |
| 人間関係・社会性 | ほかの子や大人と一緒に過ごすこと |
「たとえば」の欄は、領域の名前から分かる範囲で書いた目安です。実際に何をするかは、事業所の個別支援計画の説明で聞いてください。
1回の時間も、計画で決まる
2024年度の報酬改定で、児童発達支援は子どもごとの支援時間に応じて区分が分かれるようになりました。何時間いるかは、個別支援計画に書いて保護者が同意します。札幌市の案内では、30分未満のごく短い支援は原則として対象外、長い時間の預かりは「延長支援加算」で扱うとしています。
つまり、「何時から何時までいられるか」は契約の前に決める話です。保育園や仕事との組み合わせを考えるなら、見学のときに聞いておきます。
使いはじめるまで|受給者証が先
児童発達支援を使うには、市区町村が出す通所受給者証が要ります。順番は次のとおりです。
- 市区町村の窓口に相談する 「児童発達支援を使いたい」と言えば通じます
- 事業所を見学する 空きがあるかは事業所に直接聞きます
- 受給者証を申請する 計画案(またはセルフプラン)と一緒に出します
- 受給者証が届いたら、事業所と契約する 個別支援計画の説明を受けて使いはじめます
手帳は必須ではありません。窓口に持っていく書類、計画案の作り方、届くまでの期間は通所受給者証とはにくわしく書きました。まだ診断がついていない段階なら、子どもに障害があるかも?と思ったときから読むと順番がつかめます。
いくらかかるか|3歳からは無料
2019年10月から、満3歳になって初めての4月1日から3年間は、児童発達支援の利用者負担が無料です。保育園や幼稚園と両方使っていても、両方とも無料になります。おやつ代などの実費は別です。
それより前(0歳から2歳ごろ)は、利用料の1割を払います。ただし世帯の所得ごとに月の上限があります。金額は船橋市の案内(2026年10月時点)、区分の中身は横浜市・世田谷区の案内によります。
| 区分 | 1か月の上限 |
|---|---|
| 生活保護 | 0円 |
| 低所得(市町村民税が非課税) | 0円 |
| 一般1(市町村民税が課税で、所得割28万円未満) | 4,600円 |
| 一般2(上のどれにも当たらない) | 37,200円 |
船橋市では、市民税が課税の世帯に、第2子以降の乳幼児の負担を軽くするしくみもあります。条件は自治体で違うので、申請のときに当てはまるか聞いてください。ほかに使えるお金の制度は制度とお金にまとめています。
見学で聞く6つ
ホームページだけでは分からないことを、見学の日にまとめて聞きます。
- 親子で通うのか、子どもだけ預けるのか 親が毎回付き添うかどうかで、仕事や下の子の予定が変わります
- 1回の時間と、通える曜日 個別支援計画で決める時間の目安を聞きます
- 送迎があるか 家まで来てくれるか、保育園から連れて行ってくれるか
- 医療的ケアに対応できるか 看護職員がいるか、いるのは何時から何時か
- 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士がいるか 体の動き、手先、ことばのどれを見てもらえるか
- 自己評価の結果を見せてもらえるか 埼玉県の案内では、事業所はガイドラインに沿った自己評価をして、結果をおおむね1年に1回以上公表することになっています(埼玉県の案内)。事業所のホームページや掲示に出ていることがあります
児童発達支援は何歳から使えますか?
就学前であれば、0歳からでも対象になります。年齢の下限より、療育が必要だと認められるかどうかが先です。早めに窓口へ相談してください。
保育園や幼稚園と併用できますか?
できます。3歳から5歳の無償化も、両方とも対象です。保育園の中で集団生活の支援を受けたいときは、専門の職員が保育園に出向く「保育所等訪問支援」もあります。くわしくは通所受給者証とはの表を見てください。
療育手帳がなくても通えますか?
通えます。船橋市の案内では、医師から療育が必要と判断されている子も対象です。手帳の種類と申請できる年齢は障害者手帳の3種類にまとめました。
小学校に入ったらどうなりますか?
児童発達支援は使えなくなり、放課後等デイサービスに切り替えます。受給者証のサービスの種類も変わるので、年長の冬には窓口に相談しておくと間に合います。就学先の決まり方は就学相談の1年の流れに書いています。
出典(2026年10月時点で確認)
- 船橋市「障害児通所支援」(2026年8月27日更新)
- 千葉県「児童福祉法で規定されている障害児のサービスには、どのようなものがありますか。」(2025年10月10日更新)
- 札幌市「児童発達支援センター」(2026年4月30日更新)
- 札幌市「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定に伴う児童発達支援及び放課後等デイサービスにおける個別支援計画の取扱いの変更について」
- 埼玉県「児童発達支援ガイドライン及び放課後等デイサービスガイドラインについて」
- 厚生労働省「就学前障害児の発達支援の無償化について」
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