障害のある子の就学相談|年長の1年の流れと、就学先の決まり方

障害のある子の小学校入学は、年長の春ごろから始まる「就学相談」で、どの学びの場が合うかを話し合いながら決めていきます。法令と文部科学省の通知をもとに、流れと時期を2026年10月時点でまとめました。後半は、入学までに準備するものです。

この記事でわかること

学びの場は4つあります

就学先として話し合うのは、次の4つです(文部科学省の通知「障害のある児童生徒等に対する早期からの一貫した支援について」より)。

学びの場どこにあるかどんな形か
特別支援学校都道府県などが設置する学校視覚・聴覚・知的・肢体不自由・病弱の、障害の種類ごとに置かれる学校
特別支援学級地域の小学校の中少人数の学級。障害の種類ごとに置かれる。学校によって置いていない種類もある
通級による指導地域の小学校(ほかの学校へ通う場合もある)ふだんは通常の学級で学び、決まった時間だけ別の教室で指導を受ける
通常の学級地域の小学校必要な配慮を受けながら、ほかの子と同じ学級で学ぶ

特別支援学校を選んでも、住んでいる地域の小学校とつながる仕組みがあります。東京都では「副籍」と呼ばれています。くわしくは副籍制度とはに書きました。

「基準に当てはまれば特別支援学校」ではなくなっています

2013年9月の学校教育法施行令の改正で、就学先の決め方が変わりました。それまでは、障害の程度が施行令の表(第22条の3)に当てはまる子は、原則として特別支援学校に就学する仕組みでした。

今は、市町村の教育委員会が、障害の状態・教育上必要な支援の内容・地域の教育体制の整備状況などを合わせて考えて決めます(施行令第5条)。そのときには、保護者と、教育学・医学・心理学などの専門家の意見を聴くことになっています(施行令第18条の2)。

文部科学省の通知では、本人と保護者の意見を最大限尊重し、教育委員会や学校と合意形成を行うことを原則として、最終的には市町村の教育委員会が決定する、とされています(2013年9月1日 25文科初第655号)。

参考に、施行令の表のうち肢体不自由と知的障害の部分です(2026年10月時点の条文)。この表に当てはまることは、特別支援学校が選択肢に入るという意味で、そこに決まるという意味ではありません。

区分施行令の表に書かれている程度
肢体不自由①補装具を使っても、歩行や筆記など日常生活の基本的な動作ができない、または難しい
②①ほどではないが、いつも医学的な観察指導が必要
知的障害①知的発達の遅れがあり、他人との意思疎通が難しく、日常生活でたびたび援助が必要
②①ほどではないが、社会生活への適応がとても難しい

年長の1年で、いつ何があるか

法令で期限が決まっているものと、自治体が決めているものがあります。法令の期限は全国共通です。相談の受付や会議の時期は、自治体で違います。

時期何があるか決まり
年長の4月ごろ〜就学相談の受付が始まる。例:新宿区は2026年4月1日〜9月30日、電子申請自治体が決める
春〜夏面接・発達検査、医師の面接、園への訪問、学校見学。例:新宿区は学校見学が6月自治体が決める
夏〜秋専門家を含む会議で学びの場を検討。新宿区は「就学支援委員会」。会議の名前は自治体で違う施行令第18条の2
10月31日まで市町村が、翌年4月に入学する子の学齢簿を作る施行令第2条
11月30日まで
(手続きに支障がなければ12月31日まで)
就学時健康診断学校保健安全法施行令第1条
12月31日まで特別支援学校に就学する子について、市町村から都道府県の教育委員会へ通知施行令第11条
1月31日まで入学期日の通知が届く。小学校は市町村、特別支援学校は都道府県の教育委員会から施行令第5条・第14条

法令の期限は「入学の◯か月前まで」と書かれています。表は4月1日の入学から数えた日付です。

10月の今、まだ相談していなかったら

通常の受付が終わっていても、相談できる場合があります。たとえば練馬区は、小学校の就学相談の通常の申込を2026年7月31日で締め切っています。ただし、就学時健康診断で学校から相談を勧められた方は、受診後から12月2日まで受け付けると案内しています(2026年10月時点)。

まずは、お住まいの市区町村の教育委員会(就学相談の担当)に電話して、次の3つを聞いてみてください。

  1. 今年度の就学相談は、まだ申し込めるか
  2. 申し込んだら、いつまでに何があるか(面接・見学・会議の時期)
  3. 特別支援学校や特別支援学級の見学は、今から受けられるか

担当の名前も自治体で違います。「(市区町村名) 就学相談」で探すと、案内のページが見つかります。

就学相談で、通い方と放課後まで聞いておく

学びの場だけでなく、毎日の通い方と放課後まで聞いておくと、春になってから慌てずにすみます。

聞くことなぜ聞くか
通学の方法(スクールバスがあるか、乗れる条件)バギーのままでは乗れないことがあります。→子ども用車いすとスクールバス
学校での介助の体制食事・排せつ・移動で、学校にいる間に誰がどこまで手伝えるか
下校の時刻1年生は帰りが早くなります。放課後の預け先が要ります。→放課後等デイサービスとは・移動支援とは
地域の小学校とのつながり特別支援学校を選んだ場合の交流のしかた。→副籍制度とは
入学後に学びの場を見直す相談先次の節のとおり、決まったあとも変えられます

決まったあとも、学びの場は変えられます

文部科学省は、就学時に決めた学びの場は固定したものではなく、発達の程度や適応の状況などを見ながら柔軟に転学できる、と通知しています(2013年10月4日 25文科初第756号)。2013年の改正で、特別支援学校と小学校の間の転学も、障害の状態だけでなく、必要な支援の内容や地域の体制の変化から検討できるようになりました(25文科初第655号)。

就学先が決まったら準備するもの

車いす・バギーの作成
特別支援学校でバスに乗る際に、必要になるのが車いすです。年長児の4月頃からPTさんや療育医療センターなどで相談しましょう!

座位保持椅子

福祉車両
そろそろ体が大きくなってきて検討してみてはいかがでしょうか?

学校用カバン
「ラン活」という言葉がありますが、障害児の学校カバン選びは少々複雑です。
実際に使ってみないとわからない場合も多いのでこだわりがなければ、急いで購入に至らず、スポーツバックで十分に代用できます!

雨用の用意!
登校時のレインコート準備
うっかり忘れていて、あれ?車いすやバギーのときってどうするの?となりがちです・・・。
早すぎる準備は必要ないけど、3月末に気づくと少し混乱するかもしれません。

放課後の準備・・・
バスのお迎えはだれですか?今まで幼稚園や保育園で長時間あずかっていた時と違い、一年生はすぐに帰ってきてしまいます。
放課後デイサービスや移動支援などの事業所に相談をしておきましょう!

よくある質問

就学相談は受けないといけませんか?

新宿区や練馬区では、保護者が申し込む形です。ただ、特別支援学校や特別支援学級を考えている場合は、教育委員会が保護者と専門家の意見を聴いて決める手続きがあります(施行令第18条の2)。お住まいの教育委員会に、どう進むのかを確かめてください。

就学時健康診断はいつですか?

法令では、入学の4か月前(11月30日)まで、就学の手続きに支障がなければ3か月前(12月31日)までに行うことになっています(学校保健安全法施行令第1条、2026年10月時点)。日時は市区町村の教育委員会が決めます。

教育委員会の考えと、親の希望が違ったら?

文部科学省の通知では、本人・保護者の意見を最大限尊重し、合意形成を行うことが原則とされています。最終的に決めるのは市町村の教育委員会です。決まる前の相談の場で、どの学びの場を希望するかと、その理由を伝えておくことが大切です。

入学後に、特別支援学級から特別支援学校へ移れますか?

移れます。学びの場は固定したものではなく、発達の程度や適応の状況を見ながら柔軟に転学できる、とされています(25文科初第756号)。逆の向きも同じです。相談先は在籍している学校と教育委員会です。

出典(2026年10月時点で確認)

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